Weeklyコラム 信頼回復の好機

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ある明治維新の元勲は、もらった手紙の宛名の一字の篇(へん)が違っていたことに腹を立てて、差出人の出入りを禁止したそうだ。こんな経験は無いだろうか。「うっかり切手を貼らないで手紙を出した」「突然挨拶を指名されて、支離滅裂だった」「11日の約束を17日と聞き間違えた」等。

以上は「うっかりミス」のような事柄が多いが、ビジネス上の信頼関係はこのような小さな要因によって日々形成されていくのではなかろうか。悪い事ばかりではなく、小さな誠意が信頼獲得の好機になることもある。例えば、「名刺を切らしたので、翌日郵送した」「商売上受けたどんな親切にも、必ず礼状(ハガキ等)を出す」等である。

ところで、信頼関係にはマイナス要因になるはずの出来事が、対応によってはより信頼が強固になる場合もある。典型はクレーム処理である。クレームを付けるお客は、相手の落ち度を探して責任を追及するものだ。このような時は途中で口を挟まず、お客の話を素直に聞いた後に説明や謝罪をすることが大切だ。上手な対応は、お客の信頼を回復する好機となる。同様の信頼回復は、「遅刻は事前に連絡をする」「納品の間違いに最優先対応する」「電車トラブルの際に原因や復旧の見通しを繰返しお知らせする」等の時にも好機となる。