全国健康保険協会(協会けんぽ)は、令和4年度の都道府県別の保険料率案を発表した。
資料によると、令和3年度の収支見込は、医療分は3768億円の黒字(令和2年度は6183億円の黒字)となっている。保険料収入は4757億円増えたものの、保険給付費が4753億円増えたため、保険料収入の増加は財務的にはほとんど効果がなかった。
新年度の全国平均の保険料率は前年度から据え置きの10.0%。都道府県ごとの保険料率は引き上げられるのは29県、引き下げられるのは18都道府県となった。改定後の都道府県別保険料率を見ると、最高が11.00%の佐賀県、最低が9.51%の新潟県で、その差は1.49%に達している。これは、各都道府県の保険料収入や医療費削減のための健康管理の取組み、ジェネリック医薬品の普及など、財務的な差が保険料率に直結しているためだ。令和2年度の両県の保険料率差は1.15%、同3年度には1.18%だった。今後、都道府県ごとの格差がより広がることも予想されている。なお、介護保険料率は1.80%から1.64%に引き下げられるため、保険料率がほぼ横ばいや引き下げられる都道府県については、全体としては保険料負担が減少することになる。