Weeklyコラム 読書に励む経営者

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「私は読書が好き」と言うと、本を読む事が一種の趣味や娯楽のように思う方がいる。しかし、大抵の読書家は単なる趣味や娯楽とは思っておらず、食事と同じ生きる上での必需品と考えているのではなかろうか。

やや偏見かもしれないが、中小企業の経営者と面談している時に気づく事がある。例えば、経営理念やビジョンを尋ねた時、論理的に明確な回答が出来る経営者の多くは読書家である。しかも、読書の分野は仕事上必要な本だけでなく、小説・歴史・兵法・哲学・自然科学・健康等の人間修養書を含む幅広い分野に及んでいる。

Ⅹ社(ガス販売業)のA社長は、経営者団体の仲間が驚く程の読書家であり、経済・ビジネスの著書もある。読書の分野も哲学・歴史・兵法・人間修養書等と広く、60歳を超えてから地元の大学で教授も務めている。知識・一般教養以外に、実務の実態や経験を話すので、学生から大変人気がある。勿論、自社の経営理念とビジョンを社員や顧客に分かり易く説明するのもA社長だ。世界中でデジタル化が進展し、スマホやインターネット等、各種情報源が複雑多様化している。本の情報力が軽視されるかもしれない。しかし、経営者が体系的に情報を把握し、人間修養の素材や活用に役立つのは読書が一番と考える。