企業会計基準委員会は基準諮問会議の提言を踏まえ、電子記録移転有価証券表示権利等の実務対応報告を開発する方向だ。
まずは論点整理を公表するとしていたが、電子記録移転有価証券表示権利等の取引が少しずつ増加していることから方針転換した。このほど判明した会計処理案によると、電子記録移転有価証券表示権利等の保有者における発生及び消滅の認識の時期については、金融商品会計基準の原則とは異なる取扱いを定める方向となっている。
具体的には、「約定日」に認識することを提案。電子記録移転有価証券表示権利等の取引は、市場で売買される有価証券と同様に、証券会社等が扱うことが想定されていることから、「約定日」は多くの場合、実務的に把握可能と考えられ、約定日基準であれば現行の有価証券の実務とも整合するため、受け入れやすい認識規準であるとしている。
また、電子記録移転有価証券表示権利等を発行又は保有する場合の開示の定めについては、現行の有価証券及び信託受益権の開示に関する定めに従うこととしている。発生及び消滅の認識に関する会計方針については、重要性の乏しいものを除き、重要な会計方針として注記がなされることになるため、特に追加の定めを置く必要はないとしている。
■参考:企業会計基準委員会|金融商品取引法上の「電子記録移転権利」又は資金決済法上の
「暗号資産」に該当する ICO トークンの発行・保有等に係る会計上の取扱いについて|
https://www.asb.or.jp/jp/wp-content/uploads/20210531_10.pdf