個人所得課税では、老後に係る税制や金融所得への課税に対し、適正で公平な税負担の確保のため重要な改正がなされた。
一つは、個人住民税における合計所得金額に係る規定が整備される。〇公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額には、退職手当等を含まないこととする。〇給与所得者の扶養親族申告書及び給与支払報告書、公的年金等受給者の扶養親族申告書及び公的年金等支払報告書には、退職手当等を有する一定の配偶者及び扶養親族の氏名等を記載し、申告することとする。〇確定申告書の個人住民税に係る附記事項に、上記の氏名等を追加する。
それから、上場株式等に係る配当所得等の課税の特例も大きく改正される。〇持株割合が3%未満の個人株主も、同族会社である法人との合計で3%以上となる場合には、その個人株主が受け取る配当等を総合課税の対象とする。〇当該上場会社は、持株割合1%以上の個人株主の氏名、マイナンバー、持株割合などを記載した報告書の所轄税務署長への提出が必須となる。
また個人住民税において、特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額に係る所得の課税方式を所得税と一致させ、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の適用要件が所得税と一致するよう整備する。
■参考:財務省|令和4年度の税制改正大綱|
https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2022/20211224taikou.pdf