長引く新型コロナウイルス感染症拡大により、社員を休業させる企業が続出。その結果、休業手当を支給するケースが後をたたない。
申請により、休業手当の一部が支給される制度が雇用調整助成金だが、助成率引上げの特例などもあり、支給額は想定を遥かに超える額となっている。すでに累計で5兆円を超える助成金を支給しており、財源の確保は喫緊の課題と言えるだろう。雇用調整助成金は雇用保険の保険料を積み立てた雇用安定資金が主な財源となる。その積立金はすでに枯渇し、一般会計からの借入れや失業給付の積立金を充当するなどしてしのいでいるのが現状だ。そのため、本来は来春の雇用保険料率引上げは不可避とする意見が多かった。
しかし、おさまらないコロナ禍で労使ともども負担増となる料率引上げは異論が多く、結果として来春の引上げは見送られた。とはいえ、財源問題を解決しなければ根本的な解決とはならないのも事実。そのため、政府は来年10月からの料率引上げで調整している。現在の料率は労働者の負担が3/1000、企業側が6/1000となっているが、これが5/1000と8/1000になる見込みだ。月給30万円の労働者は月額600円の負担増、同40万円で同800円の負担増となる。
■参考:NHK|雇用保険の料率 来年10月から0.6%に引き上げ 審議会で反発も|
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211222/k10013399951000.html