2015年度の労働安全衛生法の改正により、常時50人以上の労働者を雇用する事業所でストレスチェックが義務化された。
企業におけるメンタルヘルスへの取組みは強化される傾向にあるが、精神的な不調を訴える労働者は相変わらず少なくない。公益財団法人日本生産性本部では2002年から概ね隔年でメンタルヘルスの取組みに関する企業アンケートを行っている。最新の調査結果によると、心の不調を訴える労働者は30代が最多となった。ついで、10-20代、40代の順となっているが、30代についてはそれらの年代を10%超上回っている。この年代における心理的負荷の高さを伺い知ることができる結果となった。
心の病の主な原因についての回答は「職場の人間関係」が最多で、ついで「業務遂行に伴うトラブルや困難」、「本人の資質の問題」、「家庭の問題」となっている。また、コロナ禍で従業員のメンタルヘルスが悪化したと回答した企業の合計は約40%。悪化の原因については「コミュニケーションの変化」が86.2%で最多となり、ついで「在宅勤務の増加」、「職場の対人関係の変化」となった。場所に縛られない働き方改革などを通じて、各社メンタルヘルス施策を進展させるべきだろう。
■参考:日本生産性本部|第10回「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果「心の病」多い世代 30代が再び増加し最多に|
https://www.jpc-net.jp/research/detail/005595.html