ジェトロが8~9月に海外82カ国・地域の日系企業を対象に行った実態調査で、2021年の日系企業の業績は全世界を通じて上向いているものの、回復の勢いは力強さに欠けていることがわかった。
また、黒字企業の割合は6割を超えるが、過去10年間で2番目に低く、景気回復・需要増に沸く一部の業界と、経済活動制限が直撃するサービス業との業種間格差が一段と拡大しつつあることも明らかになった。今回、ジェトロは世界共通の設問項目について先行して結果を報告。
【今後の事業展開】今後1~2年で事業の「拡大」を見込む日系企業の割合は前年に比べ増加も、先行き不透明感でコロナ発生前の19年の水準には戻っていない。サプライチェーンの混乱が広範な業種に影響。生産コストの増加を価格に転嫁せざるを得ない状況下、「販売価格の見直し」に取り組む企業の割合が前年から約8割増え、サプライチェーンの強靭化を目的に調達先見直しや複数調達化に取り組む企業の割合も、それぞれ6割、4割増加。
【脱炭素化の取組】すでに取り組んでいる企業の割合が3割を超えるが、大企業と中小企業との取組状況に大きな格差が。【サプライチェーンにおける人権尊重に関する方針】世界全体で約5割の企業が方針を有し、うち半数が調達先へも準拠を要請。
■参考:ジェトロ|「ジェトロ 2021年度 海外進出日系企業実態調査―全世界編―」の発表 ―ビジネス正常化へ道半ば。販売価格の引き上げや調達先の見直しが進む―|
https://www.jetro.go.jp/news/releases/2021/c439b74323dc4bee.html