国税庁はこのほど、令和2事務年度の相互協議の状況を公表した。外国税務当局との相互協議事案の発生件数は185件で、前事務年度比93%となった。
処理件数は、前事務年度比83%の155件。いずれにおいても、事前確認に係るものが79%、移転価格課税その他に係るものが21%となった。処理事案1件あたりに要した平均的な期間は30.3か月で、前事務年度から0.9か月長くなっている。
発生件数が処理件数を上回ったため、令和2事務年度末の繰越件数は増加して572件となった。繰越事案の相手国・地域の内訳は、米国(19%)、中国(17%)、インド(15%)、韓国(11%)、ドイツ(7%)の順であった。
OECD非加盟国・地域との相互協議の発生件数は41件、処理件数は42件であったが、繰越件数は256件となり、繰越件数全体の45%を占めた。処理事案1件あたりに要した平均的な期間は43.2か月となり、32.9か月であった前事務年度から大幅に増加した。
処理事案を業種別に見ると、製造業が109件(約70%)、卸売・小売業が22件(約14%)。対象取引別では棚卸資産取引が123件、役務提供取引87件、無形資産取引72件であった。
■参考:国税庁|令和2事務年度の「相互協議の状況」について|
https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2021/sogo_kyogi/index.htm