Weeklyコラム 商売に奇策は必要か

LINEで送る
[`yahoo` not found]

テレビの歴史物(日本の戦国時代等)の面白さは、通常は勝ち目のない側が奇策により相手を翻弄したり勝利したりする場面である。例えば、奇策により織田信長が今川義元に勝利した「桶狭間の戦い」等は代表であろう。

ところで、商売上の難題が奇策によって解決する事がよくあるのだろうか。結論としては、大小様々な奇策によって解決・発展した事例は多々ある。奇策は大抵の人が予想しない奇抜なアイデアであるから、有効期限が短いものである。例えば、小売業のセルフ化は当初は人々から驚かれ、その便利さに当該店にお客が集中した。今は普通の接客法として定着した。飲食店にも導入され、現在は差別化されたものでなければ中々注目されない。一部の居酒屋で、お客が自分で酒のお燗をする設備を置くところがあったりするが、普及すればもはや奇策とならないだろう。

コロナ禍による障害解決策として、飲食店や観光業者がいろんなアイデアを生み出している。感染予防等になる貴重な集客法も多いが、そのアイデアが短期で普及する為か、競争力強化の奇策として継続しない。奇策は、難問を一時的に解決したり、自己の弱点を補ったりする手段として有効である。ただし、奇策による成功に油断していると、実行前以上の危機に陥る可能性がある。