職務分掌後は兼務役員に不該当 取締役に支給した給与―審判所

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グループ法人の中核をなす同族会社である審査請求人が取締役に支給した給与の一部を、使用人兼務役員に対する使用人としての職務に対するものとして損金の額に算入した。原処分庁がそれには該当せず、損金の額に算入されないとして法人税等の更正処分等をした。

請求人がその全部の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は2年12月17日付で、職務分掌の変更により本件取締役が使用人としての職制上の地位を有しないこととなり、職務分掌以後は使用人兼務役員に該当しないと裁決した。本件取締役は請求人に正社員(使用人)として入社後、営業部の部長職、取締役などを歴任し常務取締役に昇格した。

審判所は、請求人の機構上、明確に規定されている使用人としての職制上の地位に照らし、本件取締役は請求人および請求人のグループ法人内での職務分掌の変更により請求人の営業部の部長職の地位を失っており、使用人としての職制上の地位を有していないとし、分掌変更以後、使用人兼務役員には該当せず、分掌変更以後に支給された賞与の額は損金の額に算入されないと認定した。ただし、分掌変更前に支給された賞与の額は、使用人としての職務の対価だったことを否定するに足りる証拠はなく、損金の額に算入されるとした。

■参考:国税不服審判所|請求人の取締役が、職務分掌の変更により使用人としての職制上の地位を有しないこととなったと認められることから、当該職務分掌以後は使用人兼務役員に該当しないとした事例(令和2年12月17日裁決)|

https://www.kfs.go.jp/service/MP/03/0204070404.html#a121