特許庁は、経営層・新事業開発・知的財産それぞれの立場の「悩みや課題」、経営環境の変化に対応した知財活動の実践、その中での気づきやいわゆる失敗事例を取り上げた事例集「新事業創造に資する知財戦略事例集~『共創の知財戦略』実践に向けた取り組みと課題~」を公開した。
特徴は(1)国内外企業12社の取組を、コ=クリエーション(共創)での事業創造における「知財戦略実践へのアプローチ」「環境整備」と「事業創造プロセス」に整理(2)想定読者別の索引を設けたほか、読者自身がより関心が持てる事例にたどり着けるよう、部門や立場においてありがちな“よくある悩み”からも事例の探索が可能(3)各事例をコンパクトに1ページにまとめ、ポイントは太字で掲載。短時間で事例の概要をつかむことが可能―の3点。
従来、知財戦略は、既存事業の枠組の中で自社の知財権による参入障壁の構築や、他社知財のクリアランス調査など「競争の戦略」が求められていた。近年は、新事業創造のためにアイデア創出、事業構想の段階での知財戦略の実践など、「競争」だけでなく「共創の戦略」の必要性など、知財戦略の転換に対応した様々な内容が盛り込まれている。特許庁サイトからダウンロードできる。6月下旬には無料で冊子版も配布する予定。
■参考:経済産業省特許庁|新事業創造に資する知財戦略事例集を取りまとめました|
https://www.meti.go.jp/press/2021/04/20210421003/20210421003.html