国税庁は、「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」の調停条項に従い債権放棄が行われた場合の課税関係に関する事前照会に対して文書で回答した。
平成27年12月に「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン研究会」が策定・公表した同ガイドラインはこのほど改正され、東日本大震災の被災者及び新型コロナウイルス感染症の影響を受けた者が適用対象として追加され特則が設けられた。これらの対象債務者、及び対象債権者の課税関係について同研究会が照会し、以下の回答が示された。
感染症の影響を受けた債務者は、破産手続開始の原因となる「支払不能」又は「破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがあるとき」と同様に資力を喪失している。特則に基づく債権放棄額(債権免除額)は、民事再生手続の対象となり得る者に対して、民事再生手続による債権の切捨額と同等の債務免除をするものと認められる。また、東日本大震災の被災者である債務者には、同ガイドラインに基づく調停条項により債権放棄・債権免除が行われる。従って、対象債権者の債権放棄で生じた損失は、放棄の日の属する事業年度で貸倒れとして損金の額に算入する。対象債務者の債務免除益は、総収入金額に算入しない
■参考:国税庁|取引等に係る税務上の取扱い等に関する照会(同業者団体等用)|
https://www.nta.go.jp/law/bunshokaito/hojin/202011/index.htm