大人物(度量の広い人格者)と小人物(度量が狭く思慮が浅い人)の違いは、具体的にはどこにあるのだろうか。大人物とは小さな事を大事にして物事を誠実に実行する人、小人物とは小さなことを疎かにして物事をいいかげんに扱う人、と思う。
例えば、金銭に対する態度である。大人物は少額であっても、その工面や消費を真剣に行う。小人物は少額だからと無駄遣いをしても平気である。すぐ取り戻せると考える。結果、その積み重ねによって、大人物は大金を動かすようになり、小人物には金銭が集まらない。小人物は小さい事を怠り、しかも出来ない大きい事をやりたがり、結局やりがいのある大きい事は出来ない。善悪の行いも同様で、小人物は小さい善行は成果がないとやろうとせず、小さい悪事は少しくらい良いだろうと考える。小さい悪事も繰り返せば、やがて罪を問われる。
企業の危機も大抵は小さなミス(見逃し)や不正に起因している。例えば、企業の存続に関わるような大事故も日頃の小さなミス・見逃し等の連続に起因し、マスコミに出る不祥事もあまり罪の意識なく何となく行う不正に起因する。これらは大人物の行動ではなく、むしろ小人物の習性である。経営者や管理者は、小さい事も大事に出来る大人物を目標にして頂きたい。