コロナウイルス感染症は、全ての商売人の経営上の艱難(一種の恐怖感)になっている。この恐怖感の根源は、この状況がいつまで続くのかわからないという点にある。
経営者の大きな悩みとして、例えば、店舗閉鎖又は売上低迷等により仕事がなくなった従業員に給料を払い続けるべきかがある。その対応は大きく分けて、普段通り全額払う、平均賃金の60%以上を払う、全く払わないがある。前2者は、一般に払い続けて雇用調整助成金等を申請する。支払期間が予測不明な為か迷っている経営者も多い。当面は平均賃金の60%以上が払えても、今後の資金繰り悪化を恐怖しているからだ。経営者がこのような恐怖を抱いていても、経営指導者(筆者もそのひとり)の適確なアドバイスが難しい事は痛恨の極みである。
このような状況下で、経営者の経営決断はどのような姿勢を取るべきか。恐怖という影は逃げるだけでは去らず、どちらを選択するか煩悶すれば、より不安になる。ここを脱する為には、「恐れる」ではなく「畏(おそ)れる」(=慎んでうけたまわる)という姿勢で行動する事である。例えば、可能な限りネット販売・テレワーク・宅配等を取入れたり、各種支援策を活用したり、会社の財務内容を徹底的に明確化したりする事ではなかろうか。