生涯現役社会の実現に向けた動きが加速している。高年齢者雇用安定法の改正案も成立の見込みで、令和3年4月には70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となる予定だ。
厚生労働省が発表した「高年齢者の雇用状況」によると、65歳までの雇用確保措置のある企業は99.8%でほぼすべての企業で達成されている状況となっている。これが徐々に70歳まで引き上げられるわけだ。そのような状況下、同省では高齢者の安全と健康確保のためのガイドラインを発表、高年齢労働者が安心して安全に働ける職場環境づくりや労働災害防止のための健康づくりを推進したい考えだ。
求められる措置は1 安全衛生管理体制の確立等、2 職場環境の改善、3 高年齢労働者の健康や体力の状況の把握、4 高年齢労働者の健康や体力の状況に応じた対応、5 安全衛生教育となる。具体的には高年齢労働者の身体機能の低下等による労働災害についてのリスクアセスメントや高年齢労働者の特性を考慮した作業管理などのソフト面の対策、高年齢労働者を対象に身体機能の維持向上、丁寧な教育訓練などがあげられている。実際、60歳以上の労働者の労災事故は増加傾向にある。従来より踏み込んだ取組みが求められているようだ。
■参考:厚生労働省|「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」(エイジフレンドリーガイドライン)を公表します|
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10178.html