少子高齢化に伴う労働力不足の懸念についてはかねてから指摘されているところだ。東京商工リサーチの調査でも、過去一年間に人手不足が原因で1000万円以上の負債を抱えて法的整理などにいたった企業の数は426社(対前年比39社増)となり、調査を開始した2013年以降で最多となったことが明らかとなっている。
労働力不足が深刻化する中、各企業が真剣に取り組むべき課題の一つは労働生産性の向上ではないだろうか。業務フローを見直し、無駄な労力を省くことで省力化は可能となり、結果として人手の数に頼る経営からの脱却も可能となるはずだ。
日本生産性本部の資料でも日本の時間当たり労働生産性は46.8ドル(4,744円)で、OECD加盟の36ヵ国中21位であることが指摘されている。これは主要先進7ヵ国の中では最下位となっており、この状況は比較可能な1970年以降ずっと続いている。就業者1人当たりの労働生産性も36ヵ国中21位だ。製造業だけで就業者1人当たり付加価値を見ると、36ヵ国中14位となる。
いまだに労働力が豊富だった頃の経験から脱却できない企業も少なくない中、いかにして労働生産性を向上させるかは、企業にとっては大きな経営課題となっている。
■参考:東京商工リサーチ|2019年「人手不足」関連倒産|
https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20200109_01.html