日本政策金融公庫は中小企業の雇用に関する調査結果を公表した。これは令和元年7月から9月における特別調査によるもので、現在の従業員数が直近の営業状況と比べると不足していると回答した企業は約4割で、前年同時期の調査より1.9%上昇していることがわかった。これで10年連続の上昇となる。
業種別では製造業以外の全業種で不足感が上昇しており、特に運輸業、建設業、情報通信業での人手不足感が突出している。実際、従業員数が一年前と比較して増加した企業の割合は10.4%で、前年の調査時に人手を増やすと回答した割合の26.0%を大きく下回っている。増員方針ではあるものの、思うように採用が進んでいないことが明らかとなった。
また、帝国データバンクの「人手不足に対する企業の動向調査」の直近の結果では、企業の50.1%が正社員不足を訴えている。同調査でも製造業における人手不足感は大幅に減少したものの、非製造業での不足感は高水準が継続する結果となっている。平成20年に人口のピークを迎え、以後は少子化により人口減少の一途をたどっている。それに伴い、労働力人口自体が減少しつつあることは間違いない。人材確保対策は待ったなしの経営課題となっている。