審査請求人が、原処分庁職員の指摘を受けて相続税の修正申告をしたところ、原処分庁が隠ぺいの行為が認められるとして重加算税の賦課決定処分をした。請求人がそのような行為はないとして、過少申告加算税相当額を超える部分の取り消しを求めた事案で国税不服審判所は、
当初から過少に申告することを意図し、その意図を外部からもうかがい得る特段の行動があったと認めることはできないとして処分を取り消した。平成30年10月2日付裁決。
原処分庁は、請求人が各共済契約について税理士の指示に基づき▽解約返戻金相当額等証明書を取得▽被共済者等の名義を請求人に変更▽出資金について払戻請求をした―などを行ったにもかかわらず、税理士に共済契約や出資金の存在を一切伝えなかったことは、国税通則法第68条《重加算税》第1項規定の行為に該当する旨主張。
審判所は▽請求人の手続き等は、相続人が通常行う手続きと外形上何ら異ならない▽共済契約のうち満期契約の返戻金や出資金の払戻金が相続財産として申告されている貯金の解約金の入金口座と同一の口座に入金されている―ことからすれば、請求人が税理士に伝えなかったとしても、請求人が当初から相続財産を過少に申告することを意図したとは認められない―とした。
■参考:国税不服審判所|相続財産過少申告することを意図したか否かを巡り、重加算税を取り消した事例(一部取消し・平成30年10月2日裁決)|
http://www.kfs.go.jp/service/MP/01/0605030200.html#a113