金融資産減損で会計基準見直し ヘッジ会計の見直しは当面なし

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企業会計基準委員会は昨年8月に公表した「金融商品に関する会計基準の改正についての意見の募集」に寄せられた意見を踏まえ、金融商品会計基準を改正するか否か検討を行っている。意見募集文書の対象となったのは、金融商品会計基準の主な分野のうち、「金融商品の分類及び測定」「金融資産の減損」「ヘッジ会計」である。

意見募集を行った結果では、「金融資産の減損」に関しては、金融危機後の会計基準の見直しにおいて予想信用損失モデルの導入が国際的な潮流になっていることなどから、日本基準の国際的な整合性を図る上で開発の優先順位は高いとする意見が多い。このため、同委員会では、「金融資産の減損」については見直しに着手する方針だ。

一方、「ヘッジ会計」は、国際会計基準審議会において「動的リスク管理」(マクロヘッジ)にかかわるプロジェクトが進行中であることや、IFRSと米国会計基準に差異が存在することなどの理由から、開発の優先度は低いとの意見が多く、当面の間は見直しに着手しないとしている。

なお、「金融商品の分類及び測定」に関しては、非上場株式に対する公正価値測定について検討すべき点があることから、現時点で見直しに着手するかどうかは未定としている。