中小企業庁と金融庁が円滑な事業承継を進めるため、現経営者と後継者の個人保証の取り扱いを見直す検討に着手することがわかった。
経営者が代替わりをしたあとも新旧経営者に保証を求める「二重徴求」のあり方が焦点となるもよう。政府が6月をめどにまとめる新成長戦略「未来投資戦略2019」に、創設する制度の方向性やスケジュールを盛り込む方針という。
報道によると、主な検討課題は(1)日本商工会議所と全国銀行協会が2013年12月に公表した「経営者保証に関するガイドライン」における保証の取り扱いの明確化(2)事業者と金融機関の間で経営者保証の解除に向けたスキームの創設。専門家が関与する形をとり、個別事業ごとに適用の可否を判断する。
中小企業が金融機関から借り入れをする際に経営者の個人保証を取らないことを目指し、ガイドラインの運用が進められてきたが、いまだに旧経営者の保証を残し、新経営者(後継者)からも保証を取る二重徴求が2割弱、新経営者が保証を提供するケースは、二重徴求を含め6割弱に達するという。個人保証を外すには法人と個人の資産・経営陣の分離、金融機関への情報開示など事業者側の努力も必要だが、ガイドラインに対する金融機関の現場対応にばらつきもあるという。
■参考:金融庁|「経営者保証に関するガイドライン」等の実態調査結果について|
https://www.fsa.go.jp/news/30/ginkou/20180627-2.html