Weeklyコラム 人材育成における素直な心

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最近、幕末の志士として吉田松陰と並んで有名な橋本左内が書いた『啓発録』という本の一端を読む機会があった。橋本左内が15歳の時の著作だと言う。このような人物の共通点は、幼少時から毎日大人の指導を受けて、大学・論語・易経等の素読をしたり、剣術の稽古をしたり、言われたことを従順に実行している。この素直な心ほど人間の発展をもたらすものはない。

さて、職場の実習や社員教育等において、上司・先輩の指導や指示に従順ではない者が一部いる。「しかし、この場合は」「前の職場ではこれと違い」「理屈は分かるが実際は」等と反抗して、指導や指示に従ってためしにやってみようとしない。このような者は職務能力の進歩が遅い(又は経験年数が長い人ほど、悪い習慣を積み重ねる)。特に初心者は上司・先輩の指導や指示に服従することを学ぶ必要がある。この服従は恥でも、怠慢でもない。服従によって、人は他人の長所を学んで自己の短所を補う時機がある。

たとえ心情は楽しくなくても指導・指示通り従順に働いて経験を積むことが自己の発展につながるのである。素直に実行した後で、意見や反論があれば堂々と述べ、気づいたアイデアがあれば提案すれば良い。おそらく、上司・先輩から有用な意見・提案という評価を得るであろう。