企業会計基準委員会は昨年11月30日まで意見募集していた「金融商品に関する会計基準の改正についての意見の募集」に対して寄せられたコメントについての検討を開始した。金融商品会計基準を開発することに対しては一部反対意見があったものの、会計基準の高品質化につながるとした賛成意見が多かった模様だ。
主だったコメントをみると、例えば、プロジェクトの範囲については、「金融資産の減損」や「金融商品の分類および測定」に関しては国際的な会計基準との差異が大きいとして優先して検討すべきといった意見が多く、その一方、「ヘッジ会計」については、優先順位は低いとする意見が多かった。IASB(国際会計基準審議会)において「動的リスク管理」(マクロヘッジ)に関わるプロジェクトが進行中であるため、当該プロジェクトの結論を見極めた上で検討を行うべきとの理由からである。
また、会計処理については、連結財務諸表と個別財務諸表で同一とすべきとの意見が多く寄せられた。連単分離となった場合には、連結決算の作成負担が増加することや、規制等対応に関する二重管理やシステムの複雑化につながり、財務諸表作成者に過度な実務上の負担が生じる可能性があるとしている。
■参考:公認会計士協会|「金融商品に関する会計基準の改正についての意見の募集」に対する意見について|
https://jicpa.or.jp/specialized_field/20181119gdg.html