財務諸表等の監査証明に関する内閣府令及び企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令(内閣府令第54号)が11月30日に公布された。今回の改正では、監査基準の改訂を踏まえ、「監査上の主要な検討事項」(いわゆるKAM)の導入や、監査意見を監査報告書の冒頭に記載するといった順序の変更等が行われた。
公開草案に対しては、例えば、KAMの個別財務諸表への記載に関する質問が寄せられている。金融庁によると、KAMについて連結財務諸表の監査報告書と同一の内容が個別財務諸表に記載されている場合には個別財務諸表の監査報告書にその旨を記載すれば省略可能とされているが、この「同一の内容」については、必ずしも完全に同一の文言となる場合に限定するわけではないと指摘。形式的な文言は異なるが、実質的に同一であれば(例えば「連結会計期間」と「会計期間」等)、省略可能と回答した。ただし、金額が相当程度異なるなど、実質的に内容が異なる場合には、それぞれの監査報告書に記載する必要があるとしている。
なお、KAMについては平成33年3月31日以後に終了する連結会計年度等から(早期適用可)、また、それ以外の改正は平成32年3月31日以後終了する連結会計年度等から適用される。