Weeklyコラム 異常気象と景気

LINEで送る
[`yahoo` not found]

蚊など夏になると発生する害虫は、暑くなるほどたくさん発生するイメージがある。しかし、25℃くらいが適温で、35℃以上ではあまり発生しないそうだ。この夏は殺虫剤の消費が去年比7%減少したそうだ。国民としては大いに助かったが、今年の猛暑は殺虫剤の関係業界に悪い影響があった。

ところで、今年の夏は、梅雨が短く猛暑が長く続く異常気象であった。このような異常気象が景気に与える影響は、一般にあまり大きくない。むしろ、夏季寒く(冷夏)、冬季暖かい(暖冬)場合に、景気に悪い影響を与えるようだ。気象(雨量・積雪量・気温・日射量等)が景気に与える影響は、生産物やサービスによって大きく異なる。例えば、夏季異常に暑ければエアコン・扇風機・飲料等の売れ行きは良いし、冬季異常に寒ければ暖房機や冬物衣料等の売れ行きが良い。何事も不便な事や困った事があれば、商品の需要が増大する事が原則である。注意すべきは、異常気象が商品の相場に悪い影響を与える事である。例えば、野菜等の品不足や高騰である。景気への悪い影響はともかく、国民が自由に野菜等を入手出来ない事や高騰によって購買を控える事は重大な食料問題だ。異常気象は景気問題だけでなく、食糧問題や健康問題等に大きな影響を及ぼす事を再認識すべきである。