中小企業庁が、早期に廃業を決めた中小企業の債務整理のため弁護士を紹介するスキームを構築することが明らかになった。報道によると、対象となるのは、中小企業再生支援協議会がサポートする事業者で、再生が困難になった先。近く全国8ブロックの再生支援協内に弁護士を紹介する窓口を設けるという。紹介する弁護士は、弁護士会などと連携して選び、主債務などの整理に当たる。再生支援協も助言する。
また、経営者が個人保証する債務が残る場合には、再生支援協が経営者保証ガイドラインに沿って整理する。新スキーム構築により保証債務を切り離し、金融機関と交渉する「単独型整理」を強化する。再生困難な先への支援を再生支援協の事業として明確に位置付ける形となる。
これまでは、再生支援協は企業から相談を受け、メインバンクなどにヒアリングした上で支援するかどうかを決め、銀行から協力を得られた場合などに税理士等専門家と連携し、再生計画を策定していた。だが、相談時の財務状況や計画策定後の環境悪化などで事業再生を断念せざるを得ないケースも少なくなかった。こうした企業が債務超過に陥る前に事業の清算を決断し、経営者保証を含めて債務を整理できれば、新事業に挑戦しやすくなるとみられる。