全国の中小企業再生支援協議会が金融機関と債権放棄など抜本的な支援を行った企業の“生存率”が高水準で推移している。一部メディアが中小企業再生支援全国本部の調査として報じたところによると、債権放棄や債務と株式を交換する「デット・エクイティ・スワップ」(DES)を行った企業の88%が事業を継続しており、生存率は民事再生法を申請した中小企業の場合の3倍に上ることがわかった。
全国の再生支援協が支援した企業の事業継続状況を初めて追跡調査したもので、対象は発足直後の2003年度から11年度までに再生計画策定を支援した先の約3,200件。18年2月時点の状況を支援先企業やメインバンクに確認した。生存率が最も高いのは、債権放棄やDESを実施した企業で、628社のうち554社が事業を継続。生存率は88%。628社のうち、債務超過の解消や継続的な経常黒字という経営が順調なのが67%を占めた。破綻したのは10%。事業キャッシュフローも重視する再生計画づくりが奏功している。
東京商工リサーチによる2000年度から5年間の民事再生法の適用を申請した企業対象調査では、約7,000社のうち70%が申請後に破産・特別清算などで消滅。生存率は29%に過ぎなかった。