経済産業省は株主総会の開催日の分散化や開示の簡素化の検討に着手した。「日本再興戦略」改訂2014を踏まえたもので、来年3月までに報告書をまとめる予定だ。株主総会に関しては開催日の分散化が最大の論点である。例えば、多くの3月決算会社は、定時株主総会について毎年3月31日を基準日とし、毎年6月に招集する旨を定款で規定しているのが一般的だ。ただ、会社法上は事業年度終了後の一定の時期に定時株主総会を開催すればよいとされている。このため、現行の規定でも基準日を別に定款で定めれば、6月末までに定時株主総会を開催しなくても法令違反にはならず、7月以降に株主総会を開催することが可能だ。しかし、決算日の株主に対して計算書類の報告をするという企業の実務慣行からすると、基準日を変更するハードルは高いものとなっている。
また、会社法で規定する基準日の株主が権利行使できる期間を「3か月以内」から「4か月以内」に改正する方法もある。ただ、基準日と株主総会開催日が乖離すると株を売却した投資家が議決権を行使するケースが増えるとの問題点が指摘されている。なお、開示に関しては、有価証券報告書や決算短信を連結のみとすることなどが検討される模様だ。