上司等によるセクシュアルハラスメントやパワーハラスメントは、働く人の尊厳を不当に傷つける行為であり、法的にも道義的にも許されるものではない。その一方で、こうしたハラスメントについては、一向に減る兆しが見えないことも事実だ。新聞等では連日のように職場等でのハラスメントに関する記事が掲載されている。
厚生労働省ではそのような状況を改善すべく、職場におけるハラスメント対策マニュアル及び社内研修資料を公表した。育児休業や介護休業に関してハラスメントに該当する事例では、産前休業の取得を上司に申し出たところ、「休みをとるなら辞めてもらう」と言われた、時間外労働の免除の相談をしたら「次の査定の際は昇進しないと思え」と言われるなどの該当例が紹介されている。そのほか「男のくせに育児休業をとるなんてあり得ない」、同僚から「自分なら介護休業の請求はしない。あなたもそうすべき」と言われたなど、上司のみならず同僚としても行ってはならない発言例についても触れられている。
一方、「業務の必要性」に基づく言動としてハラスメントには該当しない例も紹介されている。職場での言動にはより注意が必要な時代になっていることは間違いないようだ。