政府税制調査会(会長・中里実東京大学大学院教授)はこのほど、第4回基礎問題小委員会を開催し、「『働き方の選択として中立的な税制』を中心とした所得税のあり方」をテーマに検討された。
財務省より、現行の配偶者控除を見直す「移転的基礎控除」案が提示された。これは、夫婦それぞれが基礎控除を持ち、配偶者が使い残した基礎控除の額を納税者本人に移転できる仕組み。現行の配偶者の収入にかかわらず夫婦2人で計76万円の所得控除が受けられることになる。ただ所得控除のまま導入すると、高額所得者のメリットが大きく、パート世帯に負担を強いる形になるということで、税額控除にして所得に関係なく減税額を同じくすべきとの意見が出た。税額控除とすることができれば、累進課税でも税負担軽減効果は同じになるといった形だ。
また、配偶者控除を廃止して、子供向け控除に集中することが望ましいとの意見も出された。
今後、政府税調では配偶者控除に関して複数の改革案を出して検討していく方針だが、拙速さを避け、時間をかけ国民のコンセンサスを探っていくとのことで、平成27年度税制改正では結論を出さない方向のようだ。
■参考:内閣府 | 第4回 基礎問題小委員会(2014年10月6日)資料一覧
<http://www.cao.go.jp/zei-cho/gijiroku/kiso/2014/26kiso4kai.html>