企業会計基準委員会は7月10日まで意見募集を行っていた実務対応報告公開草案第52号「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い(案)」に寄せられたコメントについての検討を開始した。
寄せられたコメントは253通と膨大な数にのぼっており、このうちの多くは公開草案に反対するものとなっている。反対するコメントのほとんどは権利確定条件付き有償新株予約権には報酬性がないことからストック・オプションには該当しないとしている(反対コメントの約70通は権利確定条件付き有償新株予約権の発行企業からのものである)。
しかし、企業会計基準委員会の事務局では、現在のところ公開草案の内容を大きく変更しない方針。ストック・オプション会計基準に定める「ストック・オプション」に該当する方向で検討を進めている。
例えば、従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引は、従業員等が一定の金銭を企業に払い込むという点で、資金調達としての性格があるとされるが、企業は追加的なサービスの提供も期待して権利確定条件付き有償新株予約権を付与しているものと考えられ、報酬としての性格も併せ持つものであるとの見解を示している。