企業会計基準委員会は8月7日まで意見募集を行っていた「税効果会計に係る会計基準」の一部改正(案)等に対するコメントについて検討を開始した。公開草案へのコメントのうち、反対意見が最も多かったのは注記事項に関するものだが、現段階では内容面での大きな変更はない模様だ。
例えば、公開草案に盛り込まれなかった「国内企業の分類に関する注記」「回収可能性の合理的な説明に関する注記」「税引前純損失が生じている場合の税率差異の注記」について再検討すべきとのコメントが寄せられているが、新たに追加で注記することになる「評価性引当額の内訳に関する定性的な情報」や「税務上の繰越欠損金に関する定性的な情報」があることから、これらの情報が重要な影響を与えている場合には必要な情報として補足できるとしている。
また、個別財務諸表における注記事項についても反対意見が寄せられているが、注記することが求められている個別財務諸表の「評価性引当額の内訳に関する数値情報」は、繰延税金資産の発生原因別の注記や業績の推移の情報等から推測することは困難であるため、必要な注記事項であるとの判断を示している。
なお、同委員会では、年内にも改正税効果会計基準について最終決定する方針だ。