評価通達24「私道の用に供されている宅地の評価」では、道路としての利用状況、所有者が自由に使用、収益をすることに制約が存すること等の事実関係に照らし判断しているところ、「歩道状空地」にあたる宅地を共同住宅の敷地の一部として、同通達を適用せず評価していた事例があった。
本年2月の最高裁では、「減額の要否及び程度は他の用途への転用の難易等に照らし、その客観的交換価値に低下が認められるか否か、低下がどの程度かを考慮して決定する必要がある」とし、「本件各歩道状空地は、1)車道に沿って幅2メートルにインターロッキング舗装が施され、2)居住者以外の第三者が自由に通行している。また、建物の建築の際、3)都市計画法所定の開発行為の許可を受けるため行政指導により私道の用に供されるに至ったもので、共同住宅が存する限り、他用途への転用は容易ではない。被相続人の選択による開発行為であっても、減額して評価する必要がないとはいえない」と判示された。
よって、1)~3)に該当する「歩道状空地」は、同通達に基づき評価することとなった。上記の取扱いは遡って適用され、更正の請求により還付を受けられるが、法定申告期限等から5年(贈与税6年)を経過していると対象とならないので要注意である。
■参考:国税庁|財産評価基本通達24((私道の用に供されている宅地の評価))における「歩道状空地」の用に供されている宅地の取扱いについて|
http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/data/h29/takuchi/index.htm