有償新株予約権の会計処理案 費用処理を明確化

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企業会計基準委員会(ASBJ)は5月10日、実務対応報告となる「従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与する取引に関する取扱い(案)」を公表した(7月10日まで意見募集)。今回の実務対応報告案は、権利確定条件付き有償新株予約権の会計処理及び開示を明らかにするもの。実務上これまでは、多くの上場企業等が企業会計基準適用指針第17号「払込資本を増加させる可能性のある部分を含む複合金融商品に関する会計処理」を適用していたが、実務対応報告案では、権利確定条件付き有償新株予約権はストック・オプション会計基準に定めるストック・オプションに該当する旨を明確化した。

その上で権利確定条件付き有償新株予約権の付与に伴う従業員等からの払込金額を、純資産の部に新株予約権として計上。権利確定条件付き有償新株予約権の付与に伴い企業が従業員等から取得するサービスは、その取得に応じて費用として計上する。

適用は実務対応報告の公表日以降とされているが、一定の経過措置を設けている。具体的には、公表日より前に従業員等に対して権利確定条件付き有償新株予約権を付与した取引については、注記を要件に従来採用していた会計処理を継続することができることを容認している。