国税庁はこのほど、東京・霞が関の同庁で開いた全国国税局調査査察部長会議(調査関係)で、税務コンプライアンスの評価を判断する基準をより明確化し、判断基準をどのようにしていくか、各局から意見を聴取し、検討したことがわかった。
「税務コンプライアンスの維持・向上を図る調査以外の手法」をテーマとする議論の中で行われた。同庁は3年前に特別調査官所管法人500社を対象に「調査以外の手法」を開始し実施中。その内容は、税務調査の際に「税務に関するコーポレートガバナンス確認票」を配布し、企業が記入した確認書を元に局幹部と経営トップが面談し、意見交換を行うもの。これにより企業の状況把握と、過去の調査履歴での不正などを総合的に勘案し、税務コンプライアンスの高い企業を十数社選定、通常2、3年に一度実施する税務調査の間隔を開けることにした。
会議では、今事務年度、調査間隔を開けた企業のその後の税務コンプライアンスの状況把握に取り組むことにした。その実施にあたり、評価を判断する基準の明確化に向け、具体策について意見交換した。会議ではこの他「調査内容の充実に向けた取り組み」と「国際課税の充実」もテーマとなり、「充実に向けた取り組み」では各種取り組みについて意見を聴取した。