金融庁はこのほど、「監査法人の組織的な運営に関する原則」(監査法人のガバナンス・コード)を公表した。コードは、5つの原則と22の指針から構成され、適用はコンプライ・オア・エクスプレイン(原則を実施するか、実施しない場合には、その理由を説明する)の手法によることとされている。コード自体は法令等で規定されるわけではないため、あくまでもコード自体を適用するかどうかは監査法人の判断に任されている。本原則自体が規制・検査・処分等の直接の規準となるものではない。
コードの内容をみると、意見募集していた公開草案からの大きな内容面での変更はない。監査法人が果たすべき役割については、監査法人のトップの姿勢を明らかにすべきとしたほか、職業的懐疑心や職業的専門家としての能力を十分に保持・発揮させるように監査法人が適切な動機付けを行うべきとしている。また、透明性の確保として、原則の適用の状況や、会計監査の品質の向上に向けた取組みについて、一般に閲覧可能な文書、例えば「透明性報告書」などといった形でわかりやすく説明すべきとしている。
なお、すでに新日本有限責任監査法人をはじめ、全部で10の監査法人が同コードを採用した旨を明らかにしている。