Weeklyコラム 後継者のやる気

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後継ぎの意欲が低くて困ると言う経営者は珍しくない。反対に、後継ぎから、親父の経営は時代遅れだ、新しい事に挑戦すべきだと攻撃されている経営者もいる。X社(レストラン4店舗経営)のA社長は、2代目になって20年(65歳)、低成長ながら堅実な運営を続けてきた。Aの長男、B後継者(35歳)は、調理部門の総責任者として全従業員から期待されている。日常の親子の対話は活発である。

しかし、Bは調理専門学校卒業後10年間知人のレストランで修業を積み、X社の欠点(メニュー・接客・経営管理等)が気になっていた。例えばBの主張は、メニューを徹底的に洋風化し、接客レベルを上げて客単価を向上させる等である。始め、AはBの意見を頼もしく聞いていたが、メニューや客層の急激な変更には不安があった。最近のBの口癖は、「社長は決断力が無くて困る」である。その他、Aが従業員(幹部が多い)に指示した仕事にBが割り込み、直属上司のような態度で指示したりする。

一般に、後継者にやる気があればある程、現経営者との軋轢(あつれき)が起こるようだ。早く社長と後継者の権限を計画的に委譲するしくみを作ることである。また、お互いが相手の意見や提案を否定せず、まず素直に聞く態度を心掛けることである。