職務発明の相当の利益の取扱い 所得税・法人税等照会-国税庁

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平成27年の特許法改正で設けられた職務発明に係る特許を受ける権利を使用者に原始的に帰属させる制度を導入したA社から、職務発明等に対する補償金の取扱いについて名古屋国税局に事前照会があった。A社は職務規定等を見直し、発明のインセンティブとして、従業員等に発明の成果に対する報いとなる経済上の利益(出願補償金、登録補償金、実績補償金、譲渡補償金)を付与することとなったもの。

A社は照会において、補償金の支給を受けた従業員等に係る所得税について、補償金は雑所得にあたるとし、また、「相当の利益を受ける権利」に基づく金銭であり報酬・料金等に該当しないため源泉徴収の必要はないと解した。補償金を支給したA社に係る法人税については、出願補償金は無形固定資産に準じ特許権の耐用年数で償却すべきものとし、登録補償金は特許権の取得価額に算入するのが適切だとした。実績補償金及び譲渡補償金は利益の分配にあたることから損金に算入することになるとした。補償金の支給に係る従業員等及びA社の消費税の取扱いについては、各補償金が資産の譲渡にはあたらないことから、消費税の課税対象にはならないと解した。

名古屋国税局は各税目において、それらの見解のとおりで差支えないと回答した。

■参考:国税庁|職務発明による特許を受ける権利を使用者に原始的に帰属させる制度を導入した場合の「相当の利益」に係る税務上の取扱いについて|

https://www.nta.go.jp/nagoya/shiraberu/bunshokaito/shotoku/170206/index.htm