税制改正大綱(4)法人税2 利益連動給与の拡大

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今回の改正における注目すべき法人課税の見直しの1つに、経営陣に中長期の企業価値創造を引き出すインセンティブを与えるための利益連動給与の指標の拡大がある。株式の市場価格や、売上高の状況を示す指標を給与の算定指標に加えるとともに、将来のある時点や特定の期間の指標を用いることができることになる。

これに伴って損金経理要件が見直され、上記の新たな指標と連動させた給与も損金算入が可能となる。これらの指標を基礎として算定される数の市場価格のある株式を交付する給与で、確定した数を限度とするものが対象に加えられる。また、非同族会社の完全子会社も、利益連動給与として損金算入の手続きが可能な法人に追加されることとなった。

さらに、経営戦略に基づく先を見据えたスピード感のある事業再編等を加速するため、特定事業を切り出して独立会社とするスピンオフ等の円滑な実施を可能とする税制の整備が行われる。分割事業の主要な資産及び負債が移転していること、分割事業の従業者のおおむね80%以上の従事が見込まれていることなどの要件を満たせば適格分割と認められ、課税の繰り延べが可能となる。また、100%子法人株式の全部を分配とする現物分配について、分割型分割と同様に取り扱うよう改正される。

■参考:財務省|平成29 年度税制改正の大綱(平成28年12月22日・閣議決定)

http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2017/20161222taikou.pdf