国土交通省は先般、「空家の除去等を促進するための土地に係る固定資産税に関する所要の措置」を盛り込んだ税制改正要望を提出した。空家の除去・適正管理を促進し、市町村による対策を支援するもの。
空家の数は全国的に増加を続けており、平成25年で820万戸、空家率は過去最高の13.5%で20年前の2倍となっている。管理が不十分な空家は火災の発生や建物の倒壊、景観の悪化、衛生面や防犯面での問題などを発生させるほか、不法投棄やホームレスが住みつくケースもある。
今年の4月時点で、空家の適正管理等に関する条例は355件施行されており、その多くは管理不全と認められた空家の所有者に対し指導や勧告、命令などを行い最終的には行政代執行を可能とする内容。解体に助成金を出す自治体も多い。
固定資産税は、住宅を解体し更地にすると6倍に跳ね上がるため、空家が放置される原因の一つとされる。今回の要望ではまだ具体的な記述はないが、必要な措置としては、自主的な除去に対し一定期間税を減免する、放置に対しては住宅用地の特例を適用しないなどの案が考えられる。
自民党も秋の臨時国会で、簡易な要件で空家の除去や修繕の強制的な執行を可能とする特別措置法案の提出を目指す予定。