循環取引の税務上の取扱い示す 無償による資産の譲受けに該当

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架空取引の1つである循環取引だが、この架空取引によって得た金員の税務上の取扱いを示した裁決事例がこのほど明らかとなった。循環取引とは、商品の転売など、複数の会社間で相互に発注を繰り返すことで、架空の売上高を計上する取引手法のことである。

国税不服審判所は、今回の事案について、「取引先の社内調査報告書には、同社が請求人に対する売掛金を回収するために、A社等を経由して請求人(納税者)に資金を回し、本件各金員により本件売掛金を回収したという循環取引の詳細が記載されている」ことなどから、請求人の行った取引が架空取引である循環取引であると認定した。その上で、循環取引により得た金員は「無償による資産の譲受け」(法人税法22条2項)に該当すると判断。請求人の益金の額に算入すべきものであるとした。

また、請求人の行った取引は循環取引と認定されたため、請求人があたかもこれらの取引が真実であるかのように装うことは、「事実を仮装し」に該当することは明らかであると指摘。請求人が本件取引を仮装し、各金員を益金の額に算入せず法人税の確定申告書を提出したことは、国税通則法68条1項に規定する重加算税の賦課要件を満たすと判断している。