健康保険や厚生年金保険といった社会保険未加入企業への対策が強化されている。起業後間もない、財務的に厳しいなどの理由によりそのような社会保険未加入も起こり得るが、一方でさらに悪質とされる労働保険未加入企業も決して少なくない。
社会保険と比較すると保険料率が低めであるため、社会保険には未加入でも労災保険、雇用保険といった労働保険には加入しているケースが大半だが、その中でも労災保険より保険料率が高いこともあり、雇用保険の加入を避ける企業もある。現在、全国的にそのような雇用保険未加入企業の適用促進事業が推進されている。公共職業安定所の委託を受けた者が各企業からヒヤリングを行うのだが、未加入企業については年金事務所や都道府県からの情報も提供されており、従来以上に精度の高い情報が集まっている。
今年度から保険加入を行った場合は、通常の労働保険料申告書での概算保険料納付でことは足りるが、仮に過年度分に遡及して加入させられるような場合には注意が必要だ。その場合は、労働基準監督署に賃金台帳や出勤簿、源泉納付書等の賃金にかかる資料を持参して出頭し、算定基礎調査を受けることとなる。また、その際に計算された保険料には追徴金もかかるため、負担が増える可能性がある。