Weeklyコラム 娯楽活用業の時代

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もし「娯楽活用業」という業態があれば、これから注目される仕事になるのではなかろうか。そもそも娯楽の定義は曖昧である。三木清の著書『人生論ノート』(新潮文庫)に、「画は画家にとっては娯楽ではなく、会社員にとっては娯楽である。音楽は音楽家にとっては娯楽でなく、タイピストにとっては娯楽である」とある。つまり、娯楽は自己の仕事以外の分野であり、生業には関係なく楽しみの為に行うことである、と。

今もある「娯楽・遊技場」「レジャー・スポーツ」「映画・芸能」等は娯楽を対象にした商売である。しかし、本稿で問題にする娯楽活用業は、他人が設けた施設等でサービス料金を払って楽しむことではなく、むしろ逆に自己の余裕時間を活用して、副次的な仕事をすることである。

例えば、会社に勤めながら土日や有休を活用して農業を営み、一定の収益を上げることを目指す。逆に、昼間は本業として農業を営み、休日や夜間に娯楽としてダンス教室やカラオケ等を経営しても良い。

従来の半農半漁に似ているが、異なる点は、生活の糧を得る本業を持ち続け、休日等の娯楽時間(余裕の時間)を活用して収益のある仕事をすることである。娯楽時間を単に自己の楽しみだけに終らせない、経済活動に参加する生きがいを得る為である。