今、シニア社員の働き方に注目が集まっている。定年と同時に隠居する等は、遠い昔の話となってしまった。一体、社員を大事にしている会社とは、どんな処遇をしているところであろうか。給与が高い、福利厚生制度が整っている、残業が少ない、休日が多い…、確かにこれらもよい会社の要件であるが、定年後に継続雇用があってもその処遇が大きく低下したら、果たして満足するだろうか。
当たり前かもしれないが、60歳の定年後に継続雇用が65歳(又は66歳以上)まであって、シニアを大事に処遇する会社は評価出来る。X社(ガス供給業、社員90名)では、60歳の定年後、65歳まで継続雇用をする。給与は下がるが、技術社員は現場指導員として各現場の後輩に設計・施工のノウハウを伝授したり、悩み相談に乗ったりする。事務系社員も得意分野に応じて、社員研修や営業同伴等を職務とする。経験を活用出来る事が、シニアの働きがいになっている。
Y社(老人介護施設、社員250名)では、60歳の定年後65歳まで継続雇用するとともに、70歳まで短時間労働者(1日6時間、週4日)として雇用する。定年までの仕事と同じ職務を続けるが(深夜勤務や休日出勤は無い)、能力の高いシニアは若手の指導を担当し、仕事の質を高めている。