被相続人の妻が相続により取得した土地が、財産評価基本通達24-4《広大地の評価》に定める広大地に該当するか否か、また、同土地の評価額算定にあたり、基本通達24-6《セットバックを必要とする宅地の評価》に準じて減額すべきか否かが争点となった事案で、国税不服審判所は2月9日付で、該当するとした請求人の主張を全面的に認め、原処分庁の相続税の各更正処分と過少申告加算税の各賦課決定処分を全部取り消す旨裁決した。
問題の土地は、請求人ら以外の第三者が所有する位置指定道路に接する。この道路は私道所有者らが所有、被相続人と請求人らは同道路に係る権利を何ら有しないため、この道路を利用した開発の可否は、私道所有者らの意向に左右される。
そうした事情を踏まえた上で、審判所は広大地に該当すると裁決した理由として、(1)審査請求人らは、本件土地の敷地内に新たな道路を開設して行う開発方法が想定できると主張。その開発の方法は十分合理性を有する。そうである以上、そのような場合にまで、原処分庁が主張する、第三者の所有に係る土地を利用しての開発方法を想定することに合理性があるとはいえない(2)請求人らが主張する開発方法では、公共公益的施設用地の負担が必要だと認められる―の2点を挙げた。
■参考:国税不服審判所|相続開始に係る相続税の各更正処分及び過少申告加算税の各賦課決定処分・全部取消し・平成28年2月9日)|
http://www.kfs.go.jp/service/MP/04/0702040000.html#a102_1