国税庁は先般、「『所得税基本通達の制定について』の一部改正について(法令解釈通達)」を公表した。特定譲渡制限付株式の役員等における所得税の課税は譲渡制限解除日にその日の価額で行われることが明確となったことに伴い、制限が解除された時点の所得区分と価額の判定法を示した。
改正通達では、制限が解除された際の所得について、1)同株式が交付法人との雇用契約等に基因して交付された場合は給与所得、ただし交付を受けた者の退職に基因して制限が解除された場合は退職所得、2)同株式が個人の営む業務に関連して交付された場合は事業所得または雑所得、3)上記以外は雑所得、と定めている。
また、制限が解除された日における価額は、同株式が上場されている場合は、金融商品取引法130条により公表された最終の価格。上場されていない場合で売買実例があるものは、最近行われた売買のうち適正と認められる価額とし、ないものは交付法人と業種、規模、収益の状況等が類似する他の法人の株式の価額に比準して推定した価額とする。類似する法人もない場合は、制限が解除された日または同日に最も近い日における、交付法人の1株又は1口当たりの純資産価額等を参酌して通常取引されると認められる価額とする、と示された。