国税庁は今般、税務に関するコーポレートガバナンス(税務CG)の充実に向けた取組を公表した。国際的な議論の高まりを背景に、申告所得金額が多額で、下請け企業等の税務コンプライアンスに与える影響も大きい大企業に焦点をあてる。
具体的には、国税局特別国税調査官所掌法人に対し、調査時に「税務CG確認表」の記載を依頼する。調査への適切な対応、帳簿等の保存状況を勘案しつつ、○トップマネジメントの指導、○経理・監査部門の体制の整備、○内部牽制の働く税務会計処理手続の整備、○税務の情報や再発防止策の社内への周知、といった項目を評価・判定。そしてトップマネジメントとの面談で、必要な改善策に関し意見交換を行う。
判定結果は、調査必要度の判断材料として活用する。税務CGの状況が良好な法人については、国税当局との見解の相違が生じやすい取引(組織再編における適格組織再編か否かの判定、特別損失計上取引の処理などで、金額が多額のもの)を自主的に開示し、当局がその適正処理を確認することを条件に、次回調査までの間隔を1年延長することとなった。取組の効果として、企業には税務リスクや調査対応時の負担の軽減となり、国税当局は、より調査必要度の高い法人への重点化が可能となる。
■参考:国税庁|税務に関するコーポレートガバナンスの充実に向けた取組について(調査課所管法人の皆様へ)|
http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/hojin/sanko/cg.htm