返済猶予後倒産、3年ぶり増加 2016年上半期―帝国データ

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帝国データバンクの調査によると、2016年上半期に判明した「返済猶予後倒産」の件数は194件で、前年同期比1.0%微増した。中小企業金融円滑化法の終了に伴い、暫定的リスケジュールを受けた企業が返済猶予期限を迎える中、前年同期比で3年ぶりに増えた。

業種別件数を見ると、「製造業」が46件(構成比23.7%)で最も多かった。前年同期比の増加率では「不動産業」が400.0%増でトップ。次いで「建設業」43.5%増、「運輸・通信業」33.3%増の順。売り上げ不振の内需型企業を中心に増加が目立つ。地域別件数を見ると、「関東」が49件(構成比25.3%)で最も多かった。

この調査では、金融機関から返済条件の変更等(リスケジュール)を受けていたと判明した負債1,000万円以上の企業の倒産を「返済猶予後倒産」と定義。その件数・負債の推移、業種別、地域別などについて集計・分析した。中小企業金融円滑化法が13年3月末に終了してから3年3カ月。終了後も、実質的には施行時と同様に「金融機関は引き続き円滑な資金供給や貸し付け条件の変更等に努めるべし」との金融庁の方針のもと、貸し付け条件変更等の実行が続いているが、返済猶予を経営改善に結び付けられず倒産に至るケースも散見される。

■参考:帝国データバンク|2016年上半期の「返済猶予後倒産」、3年ぶりの前年同期比増加~建設業、不動産業など内需型産業で増加目立つ~|

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p160701.html