「女性活躍推進法(略称)」が、平成28年4月1日から施行された。事業主行動計画の策定等を定めているが、従業員301人以上の企業に義務を課している。女性社員の積極的採用と管理職比率の向上は徐々に進展しているが、他国との比較では日本は遅れている。先日、女性活躍推進で話題になっている中小企業(菓子製造販売業)社長の講演を聞く機会があった。社員の内、女性社員が7割、管理職比率が3割で、商品開発は女性社員が担当している。注目したのは、講演後の「我が社も女性を積極的に採用したいが、女性社員の定着と管理職登用をどう実現したか」と言う質問と回答だった。その回答を簡略にまとめれば、大体次のような工夫に依ると言う。
(1)女性の活躍推進を規定するだけでは効果が少なく、目標を定めて経営者が本気で女性能力を養成・活用する施策を打ち出すことが大切だ(2)女性が勤務し易いような人事政策(勤務時間、キャリア育成、出産・育児・介護等の支援)を採用し、それを社員が気軽に利用出来る仕組みを作る、等。
男性社員との競争に勝った社員のみが例外的に登用される企業風土では、女性管理職は育たない。女性社員の管理職比率を上げるには、女性が勤務し易い労働環境とキャリアアップ支援を推進すべきである。