特許庁は、中小企業が海外で取得した特許・商標等が海外で侵害された場合、その保護に向け、侵害された企業の支援強化に努めている。同庁はかねて、海外で見つけた模倣品の対策と海外で外国企業から警告を受けた場合の係争費用を支援してきたが、28年度から新たに冒認商標を取り消すための費用も支援することにした。
冒認商標とは、中国等海外でブランド名等を悪意の第三者が先取り出願(冒認出願)された商標のこと。「冒認商標無効・取消係争支援」と銘打つ新たな支援は、冒認商標を取り消すための意義申し立て、無効審判請求、取り消し審判請求、訴訟等に要する費用、およびこれらに要する弁護士、弁理士等の代理人費用について500万円を上限に、3分の2を補助する。
在来の模倣品対策支援は(1)模倣品の製造元や流通経路等を把握するための侵害調査(2)調査結果に基づく模倣品業者に対する警告文作成、行政摘発(商標権・中国意匠権)(3)調査結果に基づく税関差し止め申請、模倣品が販売されているインターネットのネットページ削除―を求めるもので、そのための費用を補助する。
これらの支援は、日本貿易振興機構(ジェトロ)を通じて行う。特許庁はパンフレットを作成、普及の強化にも努めている。
■参考:特許庁|中小企業等海外侵害対策支援事業|
https://www.jpo.go.jp/sesaku/shien_kaigaishingai.htm